バベルの塔 共通言語としてのBM

  バベルの塔に興味を持ったのはいつごろからだろうか、思い出せない。直接的には旧約聖書の話、次にはドイツ文学の中野幸次氏の作品を読むようになって、彼の代表作「ブリューゲルへの旅」でこの絵画の事を知った。今世紀に入って()科学技術と経済の会で「技術者のためのビジネスモデル(BM)設計」に取り組み、背景の異なる人達が、技術ベースのビジネスについて意思疎通、円滑なコミュニケーションができる「共通言語」創りに没頭した。この話は別の機会に述べる。

ブリューゲル「バベルの塔」展が東京都美術館で2017.4.18-7.2の期間、開催された。じっくりと観覧する機会に恵まれた。

バベルの塔は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔である。バベルの塔の物語は世界にさまざまな言語が存在する理由を説明するための物語であると考えられている。同時に「石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを」用いたという記述から、古代における技術革新について述べ、人類の科学技術の過信への神の戒めについて語ったという解釈もある。